ファブラボについて

ファブラボとは何か? ファブラボは、デジタルからアナログまでの多様な工作機械を備えた、実験的な市民工房のネットワーク。個人による 自由なものづくりの可能性を拡げ、「自分たちの使うものを、使う人自身がつくる文化」を醸成することを目指す。
ファブラボ・ネットワーク 2002年にスタートしたファブラボは、MIT(マサチューセッツ工科大学)のニール・ガーシェンフェルド教授がその著書 『ものづくり革命 パーソナル・ファブリケーションの夜明け』でファブラボを紹介して以来、その考え方が急速に 世界に広まった。

2011年4月現在、少なくとも世界20カ国以上50か所以上にファブラボが存在しています。アメリカやヨーロッパの先進国 ばかりでなく、ケニアやアフガニスタンなどの途上国にも広まっており、日本では2011年に「ファブラボ鎌倉」と「ファ ブラボつくば」がオープンした。

各ファブラボの運営形態は様々で、大学などの教育研究機関や地域のコミュニティセンター、文化施設と一体化したもの 、NPO/NGO、あるいは個人によるものなど、それぞれが独自の運営を行っている。
背景 ファブラボの背景には、ニール・ガーシェンフェルド教授のMITの講座「How to Make (Almost) Anything」がある。 現代のテクノロジー進化により、ものづくりへの関心が薄れているが、「データ→もの」という流れは重要である。 ファブラボは、無料または交換条件で利用できるものづくりの場であり、地域住民のコミュニケーションや問題解決、 スキル向上に寄与するものである。
日本の事例 ファブラボ鎌倉/神奈川県(2011年~)
2011年オープンの日本最古のファブラボの一つ。鎌倉の文化を取り入れ、幅広い世代向けの講座を提供。歴史的建造物 内にあり、メンテナンスで機材利用が可能な「朝ファブ」で注目。

ファブラボ太宰府/福岡県(2014年~)
地元企業「ホームセンターグッデイ」が運営する、企業内設置の珍しいラボ。「家族でつくるいい一日」を理念に、もの づくりをテーマに活動。会員登録と初回講習が必要。

ファブラボ品川/東京都(2018年~)
東急大井町線中延駅前に位置。作業療法士が運営に参画し、障害者向けのアイテム製作を支援。「Makeathon」で障害者 とその支援者がチームを組み、試作品を作る取り組みが特徴。
Fablab憲章
The Fab Charter

ファブラボとは何か?

ファブラボは、地域のラボの世界的なネットワークである。人々にデジタル工作機器を利用する機会を提供すること で、個人による発明を可能にする。

ファブラボには何があるか?

ファブラボは、(ほぼ)あらゆるものをつくるための設備として、共通の機材を備える。この機材リストを各ラボが 共有し、進化させていくことで、ラボをこえて協働し、プロジェクトを共有できるようにする。

ファブラボ・ネットワークは何を提供するか?

ファブラボはネットワークとして連携することで、ラボの運用、教育、技術、経営、事業計画など、各ラボで対応 できること以上の協力が得られる。

誰がファブラボを利用できるか?

ファブラボは、コミュニティのリソースとして利用可能である。事業のために予定された利用とともに、個人に 開かれた場としても利用される。

利用者はどんな義務を負うか?

安全:人や機械を傷つけないこと
作業:掃除やメンテナンス、ラボの改善など、運営に協力すること
知識:ドキュメンテーション(文書化)とインストラクション(使い方の説明)に貢献すること

ファブラボの発明は誰の所有物か?

ファブラボで生まれたデザインやプロセスは、発明者が望めば保護したり販売することもできる。ただし、 それらは個人が学ぶために利用可能なものにしておくべきである。

ファブラボにおけるビジネスはいかに可能か?

ファブラボは営利活動のプロトタイピングやインキュベーションのために利用できるが、それらはその他の利用 と衝突してはならない。また、ラボを超えて成長し、その成功に寄与した発明者、ラボ、ネットワークに利益を 還元することが期待される。

参考:Fab Charter(ファブラボ憲章)/Fablab Japan